シンク・ディファレント

東京→京都 法学部生 毎日の環境学。

レディバードって呼んで!

出町座で、レディバードを観てきた。もうね、号泣。なんて素敵なんだろうって。

京都には台風が来てる。先週は40度近かったはずなのに今日は29度にならないくらい。風がとても気持ちが良いし、秋のあの感じ、がなんかちょっと見えてしまってゾッとする。ぼくの夏、まだ始まってないよ。

台風っていうのはさ、なんだかすごく変わった気分になる。台風クラブみたいに下着で雨の中、校庭で踊りたい。的な。いつまでも続く一週間単位の終わりなき日常に、パッと台風が現れる。全てのことがそのきっかけ一つで大きく変わることがある。台風の襲来による非日常感によって。それ理由に気づかず、多少の気の触れを素直に喜び、感じはしゃぎ回ることの素晴らしさ。こういうものがやっぱりね、あると思うんだよね。

 

去年の五月頃から書いていた脚本が出来上がった。物凄い長引かせた。わりにはこの一年で学び感じたことはそこまで必要だったかどうかわからない程度に感じる。もちろん、キャバ嬢の服の値段とか、バーのオーナーの昔話だとか、綺麗な風景に関する話、法学についての多少の知識に多少の縁、多少の人生に関する悟りとか多少の多少の…どうでもいいね。うーん、どうでも、いい。

一年前っていうとね、ちょうど今日、思い出すなぁ。舞鶴の方で花火大会があった。好きな女の子と行ってね、なかなか良かった。平成最後の年から一年前の話。大阪の方の花火大会の方がアクセス良かったんだけど彼女が実家に帰省する時期と重なってるって言ってわざわざ東舞鶴まで行った。遠い。去年の今日はもっと暑かった。

だから、苦し紛れに脚本の最初に「20歳の夏、例えばね、俺は、人生というフィルムがあったとしてそれが一度に色づいてしまうほどの素晴らしさ。そんなものを探してる。葉と葉の間に見える眩しさとこの、空気とが重なって、透き通って見える。あの夏の、夢の中から、抜け出して朝が来て。」と書いた。ナレーション。

 

そうそう、レディバードの話。

青春映画。青春には前期と後期があったとして、悩みっていつも同じなんだと思う。台風クラブにしろ、レディバードにしろ、月九の青年層の主人公ではない物語にしろ。

主人公のレディバードは物凄くね、魅力的なのね。シアーシャ・ローナン。ハンナの。赤い髪が綺麗で、目が青い。普段と違って晴れの日に着るドレスもすごく似合ってるの。何よりも、顔つきが凄いんだよね。少年性というか、物凄く前向きな表情をしてる。アメリカ人とか西洋の方の人の習慣だろうけど、人の話を聞くときの姿勢というか、物凄くいいよね。

目が輝いてるんだね。何も見逃さないぞっていう、力強くって、自信のある目。

痛い少女とか黒歴史を描いているというのは、ちょっと不適切だろう。この映画を見てその言葉が出てくるというそういった感性はちょっとセンスがない。これこそが人生というものだし、ちっともおかしくない。青春の輝き。

家族と友達、恋人と進路とかの話。これのそれぞれの関わりの描き方が本当に上手い。

レディバードというのは本名ではなくって、自分で考えたもの。両親から与えられた名前を使いたくないという訳。確かに両親は問題を抱えていて、父親は仕事を解雇されて鬱になってるし母親はそのお陰で夜勤が忙しいし、自我が強いから家庭がピリピリしてる。せっかくいい雰囲気で彼氏と別れた後家に帰ると、母親がグチグチ怒ってキレて喧嘩になる。その軋轢を感じるときの寂しさって尋常じゃないんだよね。でも母子という関係には子供はいつまでも親に認められたいという欲があって「なんで認めてくれないの!」ってなってしまう。最初にできた彼氏、彼とは上手くいくんだけどある日トイレで彼と男がキスしてるのを見かけるのね。でゲイだった彼を徹底的に避けるようになる。このときの女の子の徹底的な避け方って、マジでヤバイよね。その後も彼女はイニシエーションラブを続けるんだけど、色んなことを体験しつつ自分愛が高まってゆくという話。本名を使うようになるし、故郷を田舎は嫌だと言っていても愛していたり。彼女は結局NYの大学に進学することになる。空港まで家族で送りに行くんだけど母親は車から降りないのね。で、一旦帰り道なんだけどやっぱり見送りたいって気持ちが湧き上がって来て空港に戻って駆けつけるんだけど、なんと会えないっていう。

映画っていうのはさフィクションである以上作り話な訳で、物語の選択肢は確実に考えられて作られてる。何故、会えなかった。ちょっと考えた。うーん、なんでやろ。

20センチュリーウーマンのグレタ・ガーウィグの事だ。そういうこと…なんだろう。

素晴らしいシーンも沢山ある。最初の彼氏は演劇部で見かけるんだけど、その後近所のスーパーで会うんだよね。万引きした雑誌を服の中に入れた状態で、彼に話しかけるの。これは、凄く良かった。あの感じ、なんだよなぁ。

淀川長治口調意識で書きました(笑)

無気力感の無さの表現は美しいし正しい。自分の内にある無気力感を少し見つめてみよう。