どんなにきみがすきだかあててごらん

読書の秋やね、先週末北千住でスタジオに入る前、夜10時前頃かな本屋で時間を潰してた。するとね、児童書のコーナーが結構たくさん取られてるところで、そこだけ人が少なかったのね。だからそのへんをうろうろしてた。大体ああいう時間帯、探すべき本が無い時なんて小説や雑誌を見るのは怠いから、丁度良かった。

棚に並んでるのは、見たことのある本ばかりだった。僕の家庭は幼い頃、母親が非常に熱心に教育をしていた方であったから本に関してはよく読んでいた。隣町の大きい図書館に一週間に一度は通い、カートに乗せるだけの本を借りては、車に乗せては降ろしていた記憶がある。

そらまめくんのベット、じぶんだけのいろ、セロ弾きのゴージュ(これは当時の僕にとって非常に難しかった)、おおきくなりすぎたくま、ふたりはともだち、こぐまのくまくん、もりのなか、はらぺこあおむし、おおきなかぶ、三びきやぎのがらがらどん、そしてどろんこハリー。

それぞれの本を読んでいると、これらの本の素晴らしいことに気づいた。児童文学の素晴らしさ。

ま、歳を食ってスレた思想や哲学、これは結構なことだけれど、そういったものを持つ最近の俺がぽかーんって浮いてくるような説得力があるような気がするね。

小学生の時に僕は犬を飼いたいと思った。その時の気持ちって覚えているのだけれど、どろんこハリーのイメージが完全にあるのね。果物それぞれを見ても、はらぺこあおむしの絵を今でも、思い出すことがあるよ。あんな単純な本と絵だろう、そんなに何が良いんだろう。って思うけどね、素朴で純粋な気持ちの綺麗さや完璧さ。

 

どんなにきみがすきだかあててごらんっていう絵本があるね。デカウサギとチビウサギってのが出てくるんだが、彼らはとてもストレートに気持ちを伝え合うんだね。チビウサギは”僕の方がきみのことが好きだ”って言ったらデカウサギが張り合ってくる。ぼくも、こんな本を自分の子供に読み聞かせしてあげたいな。

児童書についてこれこれこうだからこの文が素晴らしいだとかって、託けてる感じがして気がひけるんだけど、最後にデカウサギの言う”ぼくは、きみのこと、おつきさままでいって、かえってくるぐらい、すきだよ”っていうのは果てしてどれくらいなのだろうと、思いを馳せますね。